石川ひとみちゃんの歌の中でも、上位に入る人気曲です。
明るくて、元気で、さわやかで言うことなしです。
ひとこと言うなら、出すのが遅いよ!ということですか。
石川ひとみ 『君は輝いて天使に見えた』 (1982/5/21) 作詞・作曲:天野滋、編曲:若草
明るくて、元気で、さわやかで言うことなしです。
ひとこと言うなら、出すのが遅いよ!ということですか。
石川ひとみ 『君は輝いて天使に見えた』 (1982/5/21) 作詞・作曲:天野滋、編曲:若草
この歌は、天野滋が可愛い妹に書いた、という感じですね。
それを、天使の輪をつけた石川ひとみが歌う、というおもしろさ。
私の分類で言うと、もっともイノセントな歌です。
『くるみ割り人形』よりも無邪気な女の子が、次第に大人びていく微妙な時期の変化を、大人になりきれないナイーブなお兄ちゃんがハラハラしながら見守る、という感じですね。
私的には、この歌は石川ひとみちゃんの歌の中でも、最も共感できますね。
そのような女性とのお付き合いの経験があり、天野滋の歌詞と同じ感情を持ったからですけれど。
彼は、女性に対して、のめり込まず離れすぎず、という距離感をもって、いたわりにあふれた気持ちを守っている姿勢が感じられます。
ですから、私のプロデュース・ストーリーからすれば『くるみ割り人形』の前か、後かという時期にリリースできればベストな曲だと思う。
どう考えても、『右向け右』や『ひとりぼっちのサーカス』、あるいは『オリーブの栞』、『秋が燃える』、さらには『まちぶせ』をも含めて、それらを通過してきた後では、意味がない。
あるとするならば、路線変更のための、イメージ修復の場合だけでしょうか。
『まちぶせ』の大ヒットをトーンダウンしてしまったマイナー調の曲の対極として、明るくリズミカルなポップス系を投入したと。
けれども、1980年の五輪真弓『恋人よ』は、暗く重い失恋の歌ですが、大ヒットをしていますね。まあ、そこは好みの問題ですけれど。
ひとみちゃん、「ニューミュージックというんじゃないけれど、そういう歌を歌いたい」と、小室みつ子などの青春ソングもいいけれど、またそれとは別に年相応の歌を求めていましたので、長岡和弘は西島三重子や丸山圭子らに歌詞を依頼しています。
天野滋は、たぶん1975年にイルカが『なごり雪』を歌って成功したのを意識していて、あえて男の子の歌をかわいらしい石川ひとみに歌わせてみよう、と考えたのではないかと推察してますけど。
あの歌は、伊勢正三が1974年に「かぐや姫」に提供した歌で、それをイルカが是非歌わせて欲しいと頼んで、大ヒットとなり、今日でも歌われている名曲だよね。
それで、石川ひとみはかわいらしいけども、性格的にはむしろ男っぽいところがあるので、合うのではないか、今までそういう歌を歌っていないし、やってみるとおもしろいのではないか...ということを、天野は気づいたのかと思う。
スローバラードで、マイナーコード、女性の気持ちを前面に出した『ひとりじめ』と、対極的にアップテンポで明るくノリが良く、ナイーブな男の気持ちを歌った『君は輝いて天使に見えた』と。
どちらがファンに受けるだろうか、というスプリット・マーケティング・リサーチをしたいという意図もあったかと思う。
この歌では、キュロット・スカートの男の子バージョンと、アイドル・ドレスの女の子バージョンがあって、さらにスプリット・マーケティング・リサーチをやっているかと思える。
イルカの『なごり雪』は大ヒットしていますので、『君は輝いて天使に見えた』は決して冒険ではないでしょう。多分に、イメチェンと様子見という、ひとみ陣営の思惑もあったかな。
『ひとりじめ』とは正反対の、活発さだね。
それで実は、イメチェンとして大変参考になる歌手がいるのだな。言わずとしれた、この人。
『赤いスイートピー』(1982年1月21日)
松田聖子は1月21日、ひとみちゃんは5月21日。
『赤いスイートピー』では、女の子の方が「ちょっぴり気が弱いけど、素敵な人だから」と歌っている。
松田聖子は、この曲に合わせて髪をショートカットに変え、若干大人っぽく変えたので、ファンは賛否両論、話題になりました。
このことがあったので、イメチェンというのは決しておろそかにはできないな、ということをひとみ陣営としても再認識したはずだね。
石川ひとみ『君は輝いて天使に見えた』では男の側の立場で歌うという形で、イメージを変えてきた。でも髪の毛はむしろ長くして、女の子らしくしているね。ショートカットにすると、ひとみちゃんはりりしい男の子になってしまうのだ。
私の好みは男の子バージョンだな。
アイドルドレスで激しく身体を動かすと、なにかイケイケ・ギャルっぽい感じがして、ちょっと違和感が湧いてくるけどね。
けれども最初に申し上げたように、ひとみ陣営、エントロピーの法則に逆らって、デビュー当時にふさわしいような曲をこの期に及んでリリースしているわけですから、いささかTPOを外しているかな。
アイドルを卒業して大人の愛路線に進み始めた矢先に、これを出しても「何を今さらの落ち穂拾い」という感じだなー。
良い曲ですので、このような状況の中でリリースされたことが、大変もったいないな、残念、という気がします。
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